蓄膿症の治療方法は薬物療法が基本です。

その中でゴールデンスタンダードとなっているのは
マクロライド系の抗生物質による治療です。

しかし、一方でマクロライドが有効ではない蓄膿症もあります。

その辺りを調べてみました。

 

日本初の治療法。マクロライド系抗生物質。

実は、このマクロライド系抗生物質で蓄膿症を治療するというのは
日本発の治療法なのです。

もともと欧米では気道炎や肺炎の治療に使われていました。

マクロライド系は抗菌スぺクトル(どの細菌に効くか?)が広く
副作用が比較的少ない抗生物質です。

makuroraido

このような性質上、比較的使いやすい抗生物質ということで
長らく全ての副鼻腔炎に投与されてきました。

しかし、最近では研究が進み
薬の投与が、有効ではない副鼻腔炎の種類も
解ってきているので、少量投薬が中心となっています。

 


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マクロライドうんちく

マクロライド系抗生物質の発見は1950年
放射線菌より発見されたピクロマイシンという物でした。

その2年後の1952年マクガイアーによって
今でも使われている薬、エリスロマイシンが発見されました。

1957年にはロバート・バーンズ・ウッドワードによって
命名定義されます。

その定義とは「放線菌が産生する物質で、大員環ラクトンに
塩基性の糖鎖のついた一連の構造物をマクロライドと総称する
という物でした。

それから、1960年代初めに、日本でびまん性汎細気管支炎に
エリスロマイシンの長期少量投与が有効であるとされたのが
マクロスライド系抗生物質による薬物治療を有名にさせたのです。

このように、マクロスライドはびまん性汎細気管支炎の治療として
研究がすすみましたが、このびまん性汎細気管支炎に
副鼻腔炎が併発している事が多くあったそうです。

副鼻腔炎診療手引き

その後2007年に日本耳鼻科学会によって作製された
「副鼻腔炎の診療と治療の手引き」によって
蓄膿症の薬物治療として公認されました。

 

マクロライド系抗生物質が有効ではない蓄膿症

一方でマクロライド系抗生物質による薬物治療が
有効ではない蓄膿症もはっきりしてきました。

マクロライド系抗生物質が有効でない例としては

①I型アレルギー性炎症が主体である症例

②気管支喘息を合併している症例

③中鼻道が高度に閉塞している症例

④大きな鼻茸を有する症例

⑤長期投与中に急性増悪を生じた症例

これら5症例となっています。

特に③の中鼻道が高度に閉塞している症例については
限定的にステロイド治療が行われる場合があります。

また、マクロライド系抗生物質での薬物治療では
X線写真上の症状の改善まではみられませんが
予後において優位に作用するとされています。


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